國學院大學 科学教育方法学研究室(寺本研究室)

アクティブ・ラーニング 小学校での「三つの学び」

1.アクティブ・ラーニングを構成する「三つの学び」

中央教育審議会より「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」(以降、「審議のまとめ」とする)が出され、「どのように学ぶか」という「学びの質」を高めるために、アクティブ・ラーニングの視点として「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指すとしている。また「主体的・対話的で深い学び」というアクティブ・ラーニングの視点によって、「人間の生涯にわたって続く『学び』という営みの本質を捉えながら、教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求められる資質・能力を育むために必要な学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねていく」ことを目指している。
このように、アクティブ・ラーニングは、教師の日々の授業改善のために、アクティブ・ラーニングの視点で検討することが提言されたのである。
アクティブ・ラーニングは、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の三つの「学び」によって成立している。「審議のまとめ」には、アクティブ・ラーニングの視点から教師が授業改善をする視点として、次のようにそれぞれの学びにおける「目標とする学びの姿」が示されている。
主体的な学び…「子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる、主体的な 学びの過程が実現できているかどうか。」
対話的な学び…「他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広げ深める、対話的な学びの過程が実現で きているかどうか。」
深い学び…「習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現 できているかどうか。」
しかしながら、これらの三つの学びについてこれ以上の言及はなされておらず、授業レベルにおいて具体的にどのような点に気をつけながら指導をしていくのかについては述べられていない。そこで以降では、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」について整理し、小学校・中学校・高等学校において文科省の趣旨に合わせてアクティブ・ラーニングを定義する。

2.クティブ・ラーニングの定義

定義の前に、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の関係性について検討しておく。「審議のまとめ」では「主体的・対話的で深い学び」と並列的に示されている。しかし、「主体的な学び」「対話的な学び」は、学び方を示している一方で、「深い学び」は、学んだ結果や学びの質について述べていることがわかる。そこで本稿では、「主体的な学び」「対話的な学び」を通して「深い学び」にするという関係で整理した。そして次に、「主体的な学び」「対話的な学び」の姿を整理する。

【主体的な学びの姿】

個人の学びが深くなるという目的を達成するために、自分自身で判断し行動できる。

【対話的な学びの姿】

集団での対話を通して、異なる意見の共通点や差異点を整理し、学習の目標を達成するための最適解を選択する判断をしたり、学習目標に合わせて情報を組み合わせたりすることで、新たな知識や考え方の共有や創造をするために行動できる。また、集団による新たな知識や考え方の共有や創造から、個人の学びが深くなっていく。

 

【アクティブ・ラーニングの定義】

学習者の学びが深くなることを目的として、各個人が目的を達成するために当事者意識をもって判断し行動できたり、集団での対話や活動を通して知識の共有や新たな考え方の創造ができたりするなど、個人や集団の学習が能動的になっている学びの姿そのものをさす。

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